tsuresarare’s blog

妻が子を連れて出て行きました。日々のブログ。

妻と子が居なくなった日 2

1の続き。所轄警察署に電話。事情を説明し、氏名と住所を伝える。すると警察官の対応が一変し、少々お待ちください。と言われ3分程度待っただろうか。そこから驚くべき事を伝えられた。


「あなたの奥様からDV相談を受けています。事件化は出来ません」


DV!?手を挙げた事は勿論一度も無い。口論した事はあるがあくまで夫婦間の喧嘩の範疇だと考えていた。詳しく聞くと「モラハラ」という事だった。そしてその詳細は言えないとの事だった。さっきまで優しい口調だった警察官はいつのまにか、モラハラ夫を叱るような厳しい口調になっていた。


「事件化出来ませんし警察署に来られても◯◯さんには何も教えませんよ。一晩休んで冷静になって警察の助けが必要なら明日以降ご連絡ください」


お恥ずかしい話だが、私はこの時、おそらく刑事告訴なるものの説明を求めていたのだが、それを上手く言語化出来なかった。というのもオロオロしながら震える手でスマホを使い色々検索していると、某国会議員がtwitterで「配偶者の同意なく、どちらかの親が子を連れ去った場合は事件化するよう警察長官からお達しが出た」といったようなツイートをしていたのを発見したからだ。


今回の事例はそれに当て嵌まるのではないか?いや、別に妻を捕まえて欲しいわけではないのだが。と冷静になれば端的に時系列を追って話せるのだが、あの日はとにかくパニック状態だった。とにかく予備知識が無かった。検索方法も「誘拐」やら「失踪」、「家出」みたいなワードだった気がする。連れ去りなんて言葉自体知らないのだから。


慌てた私は「家に居ると死ぬかもしれません。休めと言われても休めません。心臓は常にバクバクしているし眩暈のようなものもします。警察署でお話したいです」


と話すと向こうの対応が一転し、若い警察官からベテランへと担当が変わり、来れるようなら署に来るよう言われた。深夜なので渋滞もなく日中だと30分程度掛かる道も僅か10分程度で着いてしまった。


窓口に行くと、若い警察官とベテランの警察官。前者が交通課のニカイドウ(仮名)で後者は生活安全課のヤマダ(仮)と名乗った。さっきまで私と電話対応していた若いニカイドウの左手薬指には指輪がなく、ベテランのヤマダは結婚指輪をしていた。勝手な考えだが、こういった問題はやはり既婚者の方が当事者の事を分かってくれる気がする。ヤマダは親身になって話を聞いてくれた。というのも、ベテランのような風貌だったが私と歳はたった一つ違いで、下の名前が偶然にも同じだった。そして子の年齢も性別も同じで家族構成もほぼ同じだった。


私は時折涙しながら、ここ半年の経緯を話した。ヤマダは勿論、さっきまで犯罪者に接するような刺々しい対応だったニカイドウもいくらから優しい表情に変わっていた(ような気がする。)


ヤマダからは「自死を選んではいけない。それをしたら全てが終わる。警察官としてではなく一個人の同じ父親として言わせてもらうが、私もあなたと同じ立場なら自死を選ぶかもしれない。あなたのツラさはとても理解出来る。ただ死んだら全てが終わる。そしてあなたの子が一番不幸になる。子の為にも絶対に生きてください」


と言われ、90分程度話した後、家に帰る事になった。家に着いたら絶対に警察署に電話するよう念押しされた。電話が無かったら朝、あなたの自宅まで見に行きますとまで言われた。


結局家に帰ったのは午前3時頃。母は起きて待っていてくれた。


続く。